膝の痛み
膝の症状
膝の痛みといっても、原因は患者様それぞれで異なります。
当院では、患者様それぞれの原因に合わせた治療とともに、運動器リハビリテーションを効果的に取り入れています。
手術が必要な場合には、連携先病院を紹介し、術後のリハビリは、当院にて継続し、切れ目のない医療を受けることが可能です。
- 曲げたり伸ばしたりなど、痛くて腰が動かせない
- デスクワーク中に、腰が痛くなる
- 物を持ち上げようとしたら、腰がギクっとした
- 腰を捻ると痛い
- 歩くと太ももの裏が痛くなり、休むと楽になる
- 起き上がったり、寝返りで腰が痛む
代表的な疾患
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変形性膝関節症
- 症状
- 正座や階段昇降がスムーズにできないことや、歩き始めに痛みを生じるがあります。
- 原因
- 主に軟骨の老化や、肥満などが原因です。骨折や靭帯損傷といった外傷や、化膿性関節炎など感染の後遺症がきっかけとなることがあります。
- 治療
- 症状が軽度の場合には、内服薬や外用薬の処方、膝関節内へのヒアルロン酸注射などの保存療法が可能です。
日常生活動作の指導、リハビリテーションや電気治療を活用し、症状の軽減を目指します。
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鵞足炎
- 症状
- 夜間痛や立ち上がる、階段昇降といった動作時に痛むことが多いです。
- 原因
- 膝関節直下にある脛骨(けいこつ)と筋肉をつなぐ腱に、ストレスが集中し、組織に炎症が起こります。スポーツ選手や、変形性膝関節症にお悩みの方に多い疾患です。
- 治療
- 安静・湿布・内服薬の処方が基本です。理学療法士による運動器リハビリテーションを併用することで、日常生活動作から膝への過剰な負担を改善していきます。
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オスグッド・シュラッター病
- 症状
- 成長期のスポーツ障害の1つであるオスグッド・シュラッター病は、ジャンプや走る、蹴るといった動作時の痛みや、膝の不快感があります。
基本的には、成長期における一過性の機能障害のため、成長が完了すると多くは改善します。 - 原因
- 成長期の骨は柔らかく、スポーツなどにより使いすぎることがきっかけに、大腿四頭筋が付着する脛骨の一部分が剥がれてしまうことが原因です。
- 治療
- 症状が軽い場合には、スポーツ活動を一部制限することで経過を確認します。
症状が重い場合には、スポーツを禁止します。ストレッチや大腿四頭筋に負担がかからないスポーツ動作の指導を行い、症状の悪化を防ぎます。
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前十字靭帯損傷
- 症状
- 膝が外れた感じや、激痛とともにブチッという断裂音を体感することが多く、数時間以内に関節がひどく腫れることがあります。
陳旧性(過去に受傷した)の場合、日常生活動作で膝折れを自覚することがあります。放置すると関節軟骨が損傷し、変形性関節症へと進行するため注意が必要です。 - 原因
- スポーツの着地や、急な方向転換などで損傷することが多いとされています。
- 治療
- 損傷後1ヶ月ほどで痛みは落ち着き、日常生活には支障がなくなることがほとんどですが、炎症が改善されたのみで、靭帯自体は切れたままです。ギプス固定では元には戻すことができません。
患者様の年齢やスポーツ活動の有無により、保存療法、靭帯再建術のいずれかが選択されます。術後は十分な理学療法を行うことで、術後6ヶ月以上〜1年でスポーツ復帰が可能です。
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内側側副靭帯損傷
- 症状
- 膝の内側やや上方の痛みで、内股にすると痛みの増強を認めます。
- 原因
- コンタクトスポーツや、スキーなど膝に過剰な外反力(内股方向)が加わることで起こりやすいとされる靭帯の損傷です。
- 治療
- 内側側副靭帯のみの損傷であれば、装具装着や理学療法などの保存両方により、約4~6週間でスポーツを再開できます。
十字靭帯損傷を合併し、手術療法が必要な場合は、連携先病院へ紹介しています。
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半月板損傷
- 症状
- 受傷直後には膝関節の隙間部分に痛みが生じ、損傷部位によっては腫れることがあります。膝が伸ばせずに固まってしまう、ロッキングという状態になることも特徴的です。
階段昇降やしゃがみこみなどの運動時に生じる痛みや、膝のひっかかり感やクリックがあり、膝の屈伸や、正座が困難になります。 - 原因
- 膝に異常なひねりが加わり、膝のクッションの役割を果たしている半月板が大腿骨と脛骨の間に挟まることで損傷を受けます。受傷のきっかけは、若年者はスポーツ、中高年では立ち上がり時など無理な動作に由来します。
- 治療
- まずは可能な限り半月板を温存する保存療法を実施します。
保存療法は、処方薬や理学療法、インソール処方などが挙げられます。
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離断性骨軟骨炎(膝)
- 症状
- 初期は、運動後の不快感や軽い痛みを感じる程度ですが、走行や階段昇降で痛みを生じることがあります。悪化すると、膝の腫れや可動域制限、痛みを生じます。
- 原因
- 関節の軟骨や骨組織が何らかの原因で部分的、もしくは完全にはがれてしまう疾患です。思春期~20代の男性に好発します。
- 治療
- 治療は、10歳前後では、関節軟骨の連続性が保たれていれば運動制限を中心とした保存療法で経過をみます。
13~15歳以上の場合、骨片の整復や、骨片の摘出などの治療が選択されます。剥離した関節面に大きな欠損を生じた場合、変形性関節症に進展する場合があります。
理学療法による動作改善による予防が効果的です。